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ペットカメラはどこに置く?設置場所・高さ・死角を一級建築士が解説

犬や猫の留守番中の様子が気になり、ペットカメラを検討する方は多いと思います。

しかし、いざ購入しようとすると様々なことで迷むものです。

場所にしても、部屋の隅がいいのか、高い場所がいいのか、犬の寝床へ向けるのか、それとも部屋全体を映した方がいいのか。

カメラの画像数はとか、広角はいいのかとか。

設置の時に穴が開いて困らないかとか。

カメラを選ぶだけでも、考えることがいくつもあります。

今回はこれらについて、解説をさえていただきたいと思います。

 

ペットカメラをどこに配置するかは、難しい問題ですが、一つ一つ分解すれば最適解は見えてきます。

 

目次

1. どうしてペットカメラを置く?

犬や猫を飼い始めた時に、フードやトイレと同じように、最初からペットカメラまで準備する方ばかりではないと思います。

むしろ暮らしていく中で何かが変わり、「留守中の様子を一度見てみたい」と思ったことが、カメラを検討するきっかけになるのではないでしょうか。

この章では、きっかけを中心にどのようなことを気にするかを見極めていきたいと思います。

1-1. 留守番の時間が気になった時

カメラを設置しようと思うのは、状況でいえば仕事の都合で留守番する時間が長くなったとか、物が倒れていたり、トイレの失敗が増えたりなどを想像します。

自宅の中以外の要因では、近所から犬が吠えていると言われたなどもあります。

それ以外にも新しく犬や猫を迎えた、多頭飼いになった、年齢を重ねて留守中の体調が気になるようになった、ということもあるでしょう。

 

こうした出来事があると、「自分がいない間、何をしているんだろう」という疑問が出てきます。

何も困っていない時には必要性を感じないものです。

しかし見えない時間に何か起きている可能性が出てくると、カメラを設置する意味は急に大きくなるのだと思います。

 

実際猫の飼い主400人を対象にした調査では、室内にペットカメラを設置している人は約3割でした。

使ってよかった理由には、

  • 留守中の過ごし方が分かる
  • ごはんや排泄を確認できる
  • 室温や体調の変化を確認できる
  • 外泊時や災害時の心配を減らせる

このようなことなどが挙げられています。

1-2. まず「何を確認したいのか」を決める

自分は、「何のためにカメラを付けたいのか」を一度整理した方がいいと思います。

留守番中に落ち着いて過ごしているかを見たいのか、水やフードを取っているか確認したいのか、トイレの様子が気になるのか。

それとも窓や玄関へ頻繁に行く時間や吠えている状況を知りたい等のによって、当然映したい場所は変わります。

 

犬猫が画面に映っていればいいのではなく、自分が確認したい行動が分かること。

まずは、ここから考えることが必要だと思います。

 

意味もなくペットカメラを設置する人はいません。理由をまずはしっかり探りましょう。

2. まず留守番する範囲を決める

ペットカメラについて考える時に、そもそもで犬や猫を留守番中にどこまで自由にさせるのかということも重要です。

リビングだけで過ごさせるのか、LDK全体まで動けるようにするのか、それとも廊下や玄関、寝室まで自由に行けるようにするのか。

この範囲が決まっていなければ、カメラの設置場所はなかなか決まりません。

2-1. 家中の全部を映そうしない

例えばリビングにカメラを一台設置しても、犬が廊下へ行けば見えなくなります。

そこで廊下にも一台、寝室へ入れるならさらに一台、玄関も確認したいとなればもう一台。

結局このような決め方では、家中をすべて映すことになり、そうとするとカメラは際限なく増えていきます。

だから最初に考えたいのは、「何台付ければ問題が無いか」ではなく、「留守番中に本当に使う必要がある範囲はどこなのか」ということです。

留守番の範囲を決めることは、問題行動を起こさない事にもつながるので、ペットカメラを設置しなくても考えたいことです。

2-2. 広ければ快適とは限らない

留守番する範囲は、広ければ広いほど犬にとって快適とは限りません。

例えばリビングの中だけでも、寝床や水、トイレがあり、安心して過ごせる場所が確保されているのであれば、十分な場合もあると思います。

一方で行動できる範囲を広げれば、電源コードや薬、小物、クッション、ゴミ箱など、犬が触れたり誤飲したりする可能性のある物も増えていきます。

そのため自分なら、まず動ける範囲を決め、その中にある危険な物を減らします。

カメラで危険な行動を見張るより、最初から危険が起こりにくい範囲をつくる。

カメラを設置する前に、こちらを優先した方がいいと思います。

2-3. 留守番範囲の中に休める場所をつくる

もう一つ考えておきたいのが、留守番中に犬がどこで休むのかです。

動ける範囲だけを決めても、その中に落ち着いて休める場所がなければ十分とは言えません。

人が頻繁に通る場所や玄関の真正面、外を歩く人や犬がずっと見える窓際などは、犬によっては刺激が多く、なかなか落ち着けない場所になる可能性があります。

 

自分なら留守番範囲の中に、「ここなら落ち着いて休める」という場所を最低1つつくり、可能なら2つにします。

必ずしも広い場所を確保する必要はなく、家具や棚の下など高さを利用して、少し囲われた場所を寝床として使う方法もあります。

限られた面積の中でも、犬が動く場所と休む場所を分けて考えるだけで、留守番環境はかなり変わると思います。

 

犬の留守番の範囲を決める時のチェックリストです

2-4. 留守番範囲が決まれば、カメラも決めやすい

ここまで決まると、カメラをどこへ置けばいいのかもかなり考えやすくなります。

留守番する範囲全体をある程度確認でき、その中でも犬がよく休む場所がしっかり映るようにする。さらに必要であれば、水やトイレ、窓など、自分が確認したい場所も画角へ入れていきます。

つまり自分なら、留守番範囲を決める→危険な物を減らす→休む場所をつくる→その範囲を見るためにカメラを置くという順番で考えます。

最初から「家中を何台のカメラで監視するか」と考えるより、この方がずっと分かりやすいと思います。

3. ペットカメラの購入前に確認する事

留守番範囲が決まったら、ようやくカメラをどこへ置くか考えていきます。

基本になるのは、できるだけ確認したい範囲を全部映せる場所です。

しかしどの家庭でも、そのような場所があるとは限らない。と自分は考えます。

3-1. 家具はカメラにとって壁になる

住宅の中にはソファやダイニングテーブル、テレビ台、収納家具などがあり、人間が立って見ている時には気にならない家具でも、低い位置に置いたカメラから見ると大きな壁になります。

例えばソファの向こうへ犬や猫が移動すると、カメラを左右に動かしても見えないことがあります。

収納家具の横やベッドの下も同じで、広角カメラで部屋全体を映しているつもりでも、実際にはかなりの死角が残ります。

そのため、「広角だから部屋全体が映る」と安心しても、「犬猫の行動を全部確認できる」ことは同じではないことを知っていただけたらと思います。

3-2. 高い場所なら正解とも限らない

それなら高い位置へ付ければいい、と考えたくなります。

特に天井であれば、間違いない。と言いたいですが、そうとも限らない場合があります。

 

確かに高い場所から撮影すれば家具に遮られにくくなり、部屋全体は見渡しやすくなります。

しかし高くなるほど犬猫は小さく映ってしまいます。

何かを口にくわえていないか、吐いていないかなど、細かな様子を確認したい場合は高画質が必要になります。

それと言いだせばキリがないですが、高い位置から映しても家具の下に逃げ込む場所があれば結局全部は見えません。

そのため、「高い場所なら正解」「部屋の角なら正解」と単純に決めるのではなく、実際に見たい場所が映るかどうかで判断する方がいいと思います。

3-3. スマートフォンで一度試してみる

自分ならカメラを購入する前に、一度スマートフォンを使って確認します。

最近のカメラはかなり高画質ですし、広角もききます。

設置したい棚や家具の上から部屋を撮影してみれば、何が見えて何が見えないかよくわかります。

また画質に関しても、スマートフォンの画質が必須と思うか、もっと安いものでも大丈夫かの判断もできます。

 

そしてそれを基にソファの向きを変えたり、寝床や水飲み場の位置を微調整するなどするといいと思います。

また家具下に入り込んで見えない場合などがある場合は、入り込めないような工夫も併せて必要になる場合もあります。

最初から完璧な位置を頭の中だけで探すより、一度映してみて、見えない場所があれば位置を変える方が現実的だと思います。

 

ペットカメラを設置しても、死角ができます。それをどう解決するかが重要です。

3-4. 明るい窓を正面にすると見えにくくなる

カメラの性能にもよりますが、カメラの正面に明るい窓があると、窓側の明るさに影響されて室内が暗く映ることがあります。

例えば犬が窓際で外を見ている様子を確認したいのに、窓を真正面から撮影したことで肝心の犬が暗く映ってしまっては意味がありません。

そのような場合を想定して、なるべく明かりのさす朝、昼、夕方。の三回をチェックして問題ないかを確認したいところです。

4. 家具の位置を見直す

ペットカメラを設置したい場所に死角があっても、必ずカメラを2台や3台にしなくてもいいと思います。

まずはカメラを背の高い家具を移動したり、ソファの向きを変えたりすることで、それまで見えなかった場所が映ることもあります。

住宅では家具一つを動かすだけでも、部屋の見え方が大きく変わります。

またこのような時こそ、家具やそこに収められている中身まで含めて本当に必要なものか考えてほしいと思います。

つまり家具などを減らせば、死角も減り、カメラの画面で押さえられる場所は増えていきます。

カメラの性能だけで死角を解決しようとせず、家具配置や廃棄まで含めて考える。

住宅会社としては、ここも大切だと思っています。

5. ペットカメラはどの高さに置く?

ペットカメラを設置する時、「床から何cmくらいがいいのか」と考える方もいると思います。

ただ当たり前ですが、犬なら何cm、猫なら何cmという明確な基準があるわけではありません。

むしろ大切なのは、何を確認するためにカメラを置くのかによって高さを変えることだと思います。

5-1. 細かな様子を見たいなら高さは低目

新しく水やフード、トイレ、寝床などを変えた。

その場所を詳しく確認したい。

このような場面であれば、カメラを必要以上に高くする必要はありません。

 

特に犬の場合は床で過ごす時間が長いため、低めから中くらいの高さに設置した方が、表情や口元、伏せている時の様子などは確認しやすくなります。

ただし低くするほど、ソファやテーブル、収納家具がカメラにとって大きな壁になります。

犬猫を近くでは確認できても、少し移動しただけで見失う可能性があるため、近くを見ることを優先するのか、動き全体を見ることを優先するのかを考える必要があります。

5-2. 留守番中の行動を知りたいなら高さは高目

一方、「留守番中に何をしているのか」を知りたいのであれば、犬猫だけを大きく映すより、少し高い位置から周囲も一緒に映した方が分かることが増えます。

犬の分離に関連した問題行動について、アメリカの文献では留守中の映像記録は行動を確認するうえで非常に有用だとしています。

 

具体的な行動として、吠える、歩き回る、落ち着けない、排泄する、出口付近を壊すといったものを見たいときに効果を発揮します。

例えば犬が毎日のように同じような時間に窓際へ行って吠えているのであれば、犬の顔だけがキレイに映っていても原因は分かりません。

 

外も映るような位置にカメラを設置し、窓の外に人が通ったのか、車の音に反応したのか、玄関側で何か音がしたのかを確認することで、行動との関係を考えやすくなります。

そのような目的なら、カメラを少し高めに置き、犬と一緒に窓、玄関、寝床、主な移動経路まで画面へ入れる方が、自分は使いやすいと思います。

5-3. 猫の場合は生活範囲全般

犬は基本的に床の上にいることが前提でいいのですが、猫の場合は高さが問題になります。

猫の生活範囲は床だけではありません。

ソファの背、窓台、収納家具、棚、キャットタワーなど高さ方向にも広がります。

 

猫の環境ガイドラインでも、猫の良好な生活環境には安全な休息場所だけでなく、垂直方向に使える空間を確保することが重要とされています。

そのため猫の場合、「カメラを高い位置に置けばいい」というより、猫が実際に使っている高さが画面に入っているかを見る方が大切です。

床はよく映っているのに、いつも寝ている棚の上が映らない。

逆に天井近くから撮影したため、家具の下へ入ると全く見えない。

このようなことは十分考えられます。

猫の場合は床面積だけではなく、上下方向まで含めた生活範囲を一度確認してから、カメラの高さや台数を決める方がいいと思います。

 

猫は高さを重視し、ペットカメラを考える必要があります。

5-4. 一台ですべてを見る必要はない

ここまで考えると、「それならどの高さに付ければ全部見えるのか」と思うかもしれません。

しかし自分は、一台ですべてを完璧に見ようとしなくてもいいと思っています。

例えば、留守番範囲全体の動きを見るためのカメラは少し高い位置に置き、水やトイレなど特に確認したい場所があるなら、そこは別のカメラで見る方法もあります。

反対に、寝床で落ち着いて過ごしていることだけ確認できれば十分なのであれば、部屋全体を映す必要もありません。

 

結局目的を決めた上で、一度スマートフォンなどを置いて実際の画角を確認し、必要なら高さを変えてみる。

「床から何cm」という数字から考えるより、「何を見たいか」から高さを決めたり、カメラ一つでは足りないと思ったときに増設する。くらいの考え方が自分はいいと思っています。

6. どんなカメラが使いやすいのか

ここまで設置場所を中心に書いてきましたが、もちろんカメラそのものの性能も大切です。

ただ商品はどんどん変わるため、今回は具体的な機種をおすすめすることはしません。

設置場所を考えるうえで、確認しておきたいカメラの機能について考えます。

6-1. 広角は留守番範囲を広く確認したい時に便利

リビングなど、ある程度広い範囲を一台で確認したいのであれば、まず見ておきたいのが画角です。

広角であれば、犬猫だけを大きく映すというより、寝床や水飲み場、その周辺の移動まで一つの画面に入れやすくなります。

 

特に5章で書いたように、留守番する範囲を一つの部屋などに絞っている場合には使いやすいと思います。

一方寝床やトイレなど一か所だけを詳しく確認したいのであれば、必ずしも広角である必要はありません。

つまり広角が良いわけではなく、広い範囲を見たい人に向いている機能と考える方が分かりやすいと思います。

6-2. パン・チルト(上下左右移動)は便利だが・・・

次にあると便利なのが、カメラを上下左右へ動かせるパン・チルト機能です。

例えばリビングの中央だけでなく、寝床、水飲み場、窓際など複数の場所を確認したい時には、スマートフォンからカメラの向きを変えられると便利です。

特に猫の場合は、床だけではなく窓台や家具、キャットタワーなど高さ方向にも移動するため、左右だけでなく上下へ動くことにも意味があります。

 

ただしここでいうパン・チルトは、自分でカメラの向きを変えられる機能です。

犬猫を自動的に追いかける「自動追尾」とは少し違います。

この自動追尾は7章で解説します。

 

それとカメラが上下左右に動くことは便利ですが、自分が聞いたことがある数名の話では、ほとんど使われていないとも聞きます。

理由を聞くと、積極的にカメラチェックをする期間は短く、パン・チルトを使うタイミングはあまりないようです。

このような話を聞くと、自分はパン・チルトはあってもいいけど、優先順位は決して高くなくてもいいのかなと思う機能ではあります。

6-3. 夜間を見るなら暗視機能も確認する

夜勤や外泊などで暗くなってから犬猫の様子を見るのであれば、夜間撮影に対応しているかも確認しておきたいところです。

昼間はきれいに映っていても、照明を消した後にほとんど見えなければ、夜間の見守りには使いにくくなります。

反対に平日の昼間の留守番だけを確認する目的であれば、夜間撮影よりも画角や画質などを優先してもいいと思います。

 

ペットカメラに求められる機能はあればあるほど、間違いないですが、高くなります。いかに引き算を考えられるかで、値段を抑えることが可能になります。

6-4. お値打ちなペットカメラとは

あくまで自分の考えですが、ペットカメラは高性能がいいのは間違いありません。

しかしテレビと一緒で、高性能になればなるほど価格は上がります。

そしてテレビであれば、引き算の考え方が出てきます。

画面は50インチで良いし、4Kは不要。とかですね。

 

ペットカメラもこれと同様で、結局欲しい機能を絞らないと、どんどん価格は上がります。

この機能はいらないという判断は難しいと思いますが、お値打ちな商品を探すためには必要なことだと思います。

7. 自動追尾も万能ではない

ペットカメラを調べると、犬や猫の動きを検知して自動的にカメラの向きを変える「自動追尾」という機能がよく出てきます。

実際、現在販売されているペットカメラでも、自動追尾や動体検知は代表的な機能として紹介されています。

一匹の犬や猫が部屋の中を移動する様子を確認したいのであれば、便利な機能だと思います。

ただ自分は「自動追尾が付いていれば、それで見守りは十分」とは考えない方がいいと思っています。

7-1. 一匹なら便利だが、すべての行動を追えるわけではない

自動追尾は、犬や猫がカメラの前を移動した時に、その動きに合わせてカメラの向きを変えてくれます。

例えば寝床から水飲み場へ移動したり、リビングの端から反対側へ歩いたりした時に、手動でカメラを操作しなくても追いかけてくれるのは便利です。

ただしカメラが動ける範囲には限界がありますし、家具の裏や別の部屋へ移動すれば映らなくなることもあります。

また機種や環境によって検知や追尾の仕方も違うため、毎回完全に犬猫を追い続けてくれるとは限りません。

そのため自分なら、自動追尾は「あると便利な機能」くらいに考えて、3章や4章の話を先に考えたほうがいいと思っています。

7-2. 固定した広い映像にも意味がある

もう一つ、自動追尾だけに頼らなくてもいいと思う理由があります。

例えば犬が窓際へ走って行って吠えたとします。

自動追尾で犬だけを追いかければ、「犬が窓際へ行った」ということは分かります。

しかし確認したいのが、なぜそこへ行ったのかであれば、犬だけではなく窓や玄関、その周囲まで一緒に映っていた方が分かりやすい場合があります。

猫でも同じで、一匹が移動したためカメラがそちらを追いかけると、もう一匹がその場所をどう使っているのかは映らなくなることがあります。

 

つまり犬猫を追い続ける映像と、部屋全体を固定して見る映像では、分かることが違うということです。

留守番中の行動そのものを知りたいのであれば、自動追尾だけでなく、固定した広い映像にも十分意味があると思います。

7-3. 多頭飼いでは一台に任せすぎない

特に難しくなるのが、犬や猫を複数飼っている場合です。

一匹がリビングを歩き、もう一匹が水を飲んでいる時に、自動追尾がどちらを追うのかはカメラ側の判断になります。

見たい方を必ず追ってくれるとは限りません。

 

多頭飼いで確認したいのは、「どちらが映っているか」だけではなく、二匹が同じ場所を使えているか、食事や水を片方だけが占有していないか、片方が特定の場所を避けていないか、といった関係性である場合もあります。

そう考えると一台の高性能なカメラだけですべてを確認するより、目的によって二台に役割を分ける方法もあります。

大切なのは、自動追尾があるから一台で全部見ようとするのではなく、自分が確認したい内容に合わせてカメラの役割を決めることです。

 

ペットカメラの自動追尾は便利ですが、固定カメラにも意味があるため、その特徴をよく知って選ぶことが重要だと思います。

8. カメラの設置で穴を開けたくない

設置したい場所が決まった後に問題になるのが、その場所へカメラをどう固定するのかということです。

特に新しい住宅や賃貸住宅では、壁や天井へできるだけ穴を開けたくないという方も多いと思います。

自分も、最初からビスで固定することだけを考える必要はないと思っています。

8-1. まずは家具をうまく使う

最初に考えたいのは、収納家具や棚など、今ある物をカメラの設置場所として利用できないかということです。

棚の上へ置くだけで見たい範囲が映るのであれば、それが一番簡単です。

また機種や取付金具によっては、クランプやクリップ、マグネットなどを利用して、家具や支柱へ固定できる場合もあります。

そのためカメラを選ぶ際には、画質や自動追尾だけを見るのではなく、家具を利用した場合どんな方法なら固定できるのかまで先に確認しておくと、後から困りにくくなります。

8-2. 粘着式の場合は落下に注意

家具では難しい場合、対応している商品であれば、粘着式の金具や両面テープを使う方法も考えられます。

ただし壁や天井へ貼り付ける場合には、カメラの重量だけでなく、壁紙や塗装など接着する側の材料によっても強度が変わります。

 

特に天井から取り付ける場合、落下すればカメラが壊れるだけでなく、下にいる犬猫へ当たる可能性もあります。

そのため、メーカーが粘着固定を想定しているのか、取付金具がカメラの重量に対応しているのかを確認することは重要です。

8-3. 最後にビスや細いピンを考える

家具にも設置できず、粘着式でも難しい。

それでもその場所が一番見やすいのであれば、最後にビスや釘などを使った固定を考えます。

 

ただ自分であればカメラに付属してきたビスを、そのまま使うことだけを考えません。

商品によっては、付属しているビスがかなり太い場合があります。

そこで壁の材料や下地、カメラの重量、固定方法を確認したうえで、もう少し細いビスで固定できないかを考えます。

軽量なカメラであれば、石膏ボード用の細いピンなどを利用できる場合もあります。

細いビスやピンだから、すぐに強度不足になるわけではありません。

ただしどの程度の固定で十分なのかを判断するには、壁の材料や下地についてある程度の知識が必要です。

そのためこの方法は、誰にでもおすすめできるわけではありません。

大切なのはビスの太さではなく、取り付ける場所に合った固定方法を選ぶことだと思います。

8-4. 機能だけではなく「取り付けやすさ」で選ぶ

カメラを比較すると、広角、自動追尾、画質、暗視などに目が行きます。

しかし自分なら、それと同じくらい、置くだけで使えるのか、家具へ固定できるのか、マグネットやクランプに対応しているのか、それとも壁や天井へのビス固定が必要なのかまで確認します。

特に家へ穴を開けたくない方なら、「高性能なカメラを買ってから設置方法を考える」のではなく、「自分の家に取り付けやすいカメラを選ぶ」という考え方も大切だと思います。

 

ペットカメラの穴は、誰もが気になるところです。上手く切り抜ける方法を3ステップで紹介します。

9. 電源とWi-Fiも一緒に確認する

見やすい場所が決まっても、近くに電源がなければ簡単には設置できません。

延長コードを使えば対応できる場合もありますが、犬や猫が触れる場所に長いコードがあると、噛んだり足を引っ掛けたり、コードを引っ張ってカメラ本体を落としたりする可能性があります。

そのため必要に応じて、家具の裏へコードを通したり、コードカバーを使用したり、犬猫が触れにくい位置から電源を取ることも考えます。

 

また2026年現在のペットカメラは、Wi-Fiを利用してスマートフォンから映像を見るタイプが多いです。

そのため設置予定の場所まで、通信が安定して届くかも確認しておきたいところです。

リビングでは問題なくても、壁や扉を何枚か挟んだ場所では通信が弱くなることもあります。

カメラ本体だけを見るのではなく、電源と通信まで含めて設置場所を考える。

ここまで確認しておけば、実際に使い始めてから困ることも減ると思います。

 

電池式もいいかもしれませんが、見たいときに見れないとストレスになります。電源やWi-Fiの状況は確認したいところです。

10. 新築や改修時は後工程を考えておく

今住んでいる家であれば、家具や配線を工夫しながらカメラを設置することになります。

一方新築や大きなリフォームをするのであれば、将来カメラを設置する可能性まで考えて、少しだけ準備しておくことができます。

10-1. 高い位置にも電源を考えておく

見守りカメラだけのために間取りを決める必要はないと思います。

しかし「将来この辺りで留守番させるかも」と考えられるのであれば、高い位置にも電源を準備しておく方法があります。

カメラを後から設置したいと思った時、近くにコンセントがあると助かります。

 

また天井に電源を持っていくなら、照明用のダクトレール(ショップライン)などを利用して電源を取ることも可能です。

照明と兼用になって問題がないかも考える必要はありますが、ダクトレールは意外に便利だと自分は思います。

10-2. 壁や天井へ取り付けるなら下地も考える

壁や天井へ機器を固定する可能性があるのであれば、あらかじめ下地を入れておくことで、取り付け方法の選択肢は増えます。

新築時や改修時には比較的簡単にできる準備でも、完成してから電源を増やしたり、壁や天井を工事したりすると手間が大きくなります。

だから自分は、「ここに必ずカメラを付ける」と決めるのではなく、「後から付けたくなった時に対応できるようにしておく」くらいで十分だと思います。

11. カメラで見たことを、住まいに活かす

ペットカメラを設置する最初の目的は、「留守中の犬猫を見ること」だと思います。

しかし自分はカメラを使うことで分かった行動を、今度は住まいの改善へ使うところにも意味があると思っています。

 

犬がいつも同じ家具の裏へ行く。

人がいない時だけ窓辺を行ったり来たりする。

水飲み場へほとんど行かない。

二匹いる猫のうち一匹だけが特定の場所を避けている。

以上のようなことが分かるかもしれません。

 

このような行動が見えて満足するのではなく、何をすると留守番中の犬や猫は満足するのか。

それまで考えてあげてほしいと思います。

ペットカメラ自体が、犬猫の困りごとを解決してくれるわけではありません。

カメラで見えた行動を、そのまま見て終わるのではなく、住まいの改善へ戻していく。

住宅会社としては、そこまで使えればペットカメラの価値はさらに大きくなると思っています。

 

今回の文章が、みなさまの何かの役に立つようであれば、これ以上喜びはありません。

長い文章お付き合いいただき、ありがとうございました。

11-1. 執筆者プロフィール

野島建設株式会社 代表取締役社長 野島比呂司
一級建築士 宅地建物取引士 増改築相談員

富山県出身 近畿大学理工学部建築学科卒
地元のハウスメーカーに就職後、2007年野島建設に入社。
会社の2代目として仕事をするだけでなく、自分でも会社を創業。野島建設として1000棟を超える施工実績があり、富山県の市町村単位では複数回の着工数1位の獲得経験あり。
2024年の能登の震災による仮設住宅建設にも尽力。その際に人と愛玩動物とのかかわりについて考え、ペット共棲住宅の重要性を実感。

 

投稿日 2026年9月26日

 

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