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犬が留守番中に物を壊す原因は? 一級建築士が破壊行動を分析し解説

 

犬が留守番中に物を壊してしまう。

帰宅したら、クッションが破れていた。
そんな時、つい犬を叱りたくなるかもしれません。

でも住宅の視点で見ると、破壊行動はしつけや性格だけの問題とは限りません。

まず確認したいのは、
犬が留守番中にどこまで動けるのか。
その範囲に、壊れて困るものや危ないものがないか。
ということです。

犬は、大切な書類や危険な電源コードを区別できません。

だからこそ、犬を責める前に、家の中の環境を見直すことが大切です。

この記事では、一級建築士の視点で、犬が安全に留守番できる部屋づくりを解説します。

 

1. 留守番前に確認する場所

犬が留守番中に物を壊す場合、最初に確認する場所は、犬が実際に過ごしている範囲です。

1-1. 行動できる範囲の確認

リビング全体を自由にしているのか。
部屋の一部だけで過ごしているのか。
玄関やキッチン、水回りまで行けるのか。

ここが曖昧なままだと、対策も曖昧になります。

 

たとえば、犬がリビング全体を自由に動ける状態であれば、リビングにあるものすべてが犬の行動範囲に入ります。

  • ソファ
  • 電源コード
  • ゴミ箱
  • 観葉植物
  • 書類
  • リモコン

人にとっては普通の部屋でも、犬にとっては気になるものが多い空間です。

まずは、留守番中に犬がどこまで動けるのかを確認することが大切です。  

 

2. まず行動範囲の決定

2-1. 動ける範囲

最初の対策は、犬が留守番中に動ける範囲を決めることです。

これは、犬を閉じ込めるという意味ではありません。

犬が安全に過ごせる範囲を、飼い主が先に決めるということです。

 

自分が提案する決め方は二つです。

動ける範囲で決めるか、来てほしくない場所で決めるかです。

【動ける範囲で決める場合】

どうしても運動不足が気になるとか、そのような場合は動ける範囲で決めるとい良いでしょう。

そうなると家全体を自由にするのか。
リビングの一部にするのか。
寝床のまわりだけにするのか。

この辺りが需要になってきます。

 

【来てほしくない場所で決める場合】

どうしても犬を入れたくない場合もあるはずです。

特に犬の生命にかかわるものがそこにある(薬とか)場合は、この考え方も有効です。

どこまでなら安全か。
どこから先は危ないか。
どこに壊れて困るものがあるか。

 

この線引きをしないまま留守番させると、犬が危ない場所に行ったり、壊されたくないものに触れたりしやすくなります。
このような考え方を持つだけでも、動ける範囲は決めやすくなります。

2-2. 高さの確認

次に大切なのは、犬の届く高さを見ることです。

人間の目線では片付いているように見えても、犬の目線では「届くもの」が多いことがあります。

特に留守番中は、飼い主が止めることができません。

だからこそ、犬の目線、犬の口が届く高さで部屋を見ることが意外に大切です。

3. 危ない物チェック

犬が留守番する範囲を決めたら、その中から危ないものをなくします。

特に注意したいものを整理します。

3-1. 電源コード

電源コードは、最も注意したいものの一つです。

犬がコードを噛むと、感電や火災の危険があります。

家具やクッションが壊れるだけなら物の被害で済むかもしれません。
しかし、コードは犬の命に関わる可能性があります。

 

そのため、そもそもで使わくても大丈夫なコードは片付ける。

犬が届く場所にコードが必ず出てしまう場合は、

コードカバーを使うとか家具の裏に通すなどの工夫が必要です。

3-2. ゴミ箱

ゴミ箱も注意が必要です。

においがあるものは犬の興味を引きやすく、倒したり、中身を出したりすることがあります。

食品の包装。
ティッシュ。
小さなプラスチック。
串や袋。
薬の包装。

こうしたものが入っていると、誤飲の危険もあります。

留守番中に犬が届く場所には、簡単に開くゴミ箱を置かない方が安心です。

3-3. 小物・電池

リモコン、ボタン電池、文房具、小さなおもちゃなども注意が必要です。

小さいものは誤飲につながりやすく、噛んで壊れると破片が出ることもあります。

特に電池は危険です。

人が何気なくテーブルや床に置いたものでも、犬にとっては噛めるものになります。

3-4. 薬・食品

薬や食品は、必ず犬が届かない場所に置く必要があります。

人間には問題のないものでも、犬にとって危険なものがあります。

留守番中に犬が口にしないように、棚や引き出しの中にしまうことが基本です。

3-5. 観葉植物

観葉植物も、倒す、土を掘る、葉を噛むといった行動につながることがあります。

植物の種類によっては、犬にとって危険なものもあります。

留守番中に犬が触れる範囲には、観葉植物を置かない方が安心です。

3-6. リモコン類

リモコンは、噛まれると壊れるだけでなく、中の電池が出ることもあります。

テーブルの上に置いていても、犬種や体格によっては届くことがあります。

留守番前には、引き出しや高い場所にしまう習慣をつけると安心です。

4. 壊されやすい物チェック

危険ではなくても、壊されると困るものがあります。

4-1. クッション・布類

クッションや布類は、噛みやすく、破れやすいものです。

中の綿を出してしまうと、誤飲につながることもあります。

留守番中に興奮しやすい犬の場合は、破れやすい布類を置きっぱなしにしない方が安心です。

またひっかきなどに強いクッションなどの購入は必須といえそうです。

4-2. 書類・紙類

書類や紙類は、犬にとって遊びやすいものです。

破る。
くわえる。
散らかす。

一度楽しさを知ってしまったら、紙は遊び道具にしかなりません。

大切な書類ほど、犬が届かない場所に置いておく必要があります。

4-3. スリッパ・靴

スリッパや靴も噛まれやすいものです。

玄関まで自由に行ける状態だと、靴を噛んだり、運んだりすることがあります。

留守番中は玄関に行けないようにするか、靴を収納しておくと安心です。

5. 範囲決定前の最終確認

犬の留守番では、もう少しチェックする場所があります。

そのあたりをここでは説明をしてきます。

5-1. 範囲が広すぎないか

自由に動ける範囲が広すぎると、刺激も増えます。

そして何より、問題行動を起こすものをする番の範囲に置きっぱなしにする可能性も上がります。

広ければよいというより、安全に落ち着ける範囲かどうかが大切です。

5-2. 範囲が狭すぎないか

自由に動ける範囲が狭すぎも問題です。

破壊行動の面ではよくても、ストレスが溜まります。

またトイレが近すぎてストレスになる場合もあります。

狭すぎる範囲も考え物です。

5-3. 窓際で刺激が多い

窓の外がよく見える場所は、犬によっては落ち着かないことがあります。

人が通る。
車が通る。
他の犬が見える。
音が聞こえる。

こうした刺激が続くと、吠えや興奮につながることがあります。

興奮した結果、周囲のものを噛んだり、引っ張ったりすることもあります。

留守番中の場所は、外の刺激が強すぎないかも確認したいところです。

5-4. 休む場所がない

そもそもで、犬が落ち着いて休める場所がない留守番の範囲決めも問題です。

寝床とトイレ、その空気がこもらない。

そのような細かな配慮の積み重ねで、犬にとってリラックス時間が増え、破壊行動に頭がいかないようになっていきます。

6. ワンルームの工夫

ワンルームや狭い部屋では、人の生活範囲と犬の生活範囲を分けるのが難しくなります。

その場合は、床だけで考えないことが大切です。

6-1. 高さと収納を使う

面積が限られた部屋では、スチールラックのような収納も役立ちます。

たとえば、上段には犬に触られたくないものを置く。
コード類や小物は収納ケースに入れる。
下の空間には、犬が休めるマットを置く。

このように、同じ床面積でも、上と下で役割を分けることができます。

大切なのは、犬の目線や口の届く範囲を考えることです。

人にとっては何気ない置き場所でも、犬にとっては噛める場所、引っ張れる場所になっていることがあります。

7. 家を直す場合に考えたいこと

部屋の工夫などで破壊行動は減りますが、生活がしにくい環境になってしまう可能性もあります。

その場合は家そのものを直してしまうことも、費用は掛かりますが必要な場合があります。

 

新築やリフォームであれば、犬の留守番を前提にした設計もできます。

たとえば、留守番中に過ごす場所を最初から決めておくようなことです。
収納やコンセントの位置を考える。
窓からの刺激を減らす。
滑りにくい床材を選ぶ。
温度差や風の当たり方を考える。

 

犬の留守番スペースは、単に犬がいる場所ではありません。

犬が安心して休めて、飼い主も安心して外出できる場所です。

だからこそ、最終的には家づくりにまで手を付けることもあると思います。

8. まとめ

犬が留守番中に物を壊す原因は、不安、退屈、ストレス、分離不安など、犬側の理由で語られることが多いです。

しかし自分ような建築の視点では、もう一つ大切なことがあります。

それは、壊せる状態になっていないかということです。

 

留守番中に犬が動ける範囲を決める。
その範囲から危ないもの、壊れて困るもの、誤飲しそうなものをなくす。
狭い部屋では、高さや収納を使う。
そして犬が落ち着いて休める場所をつくる。

犬を責める前に、家の中を見直してみる。

それだけで犬にとっても人にとっても、留守番の不安は少し減らせるかもしれません。

 

今回の文章少しでも何かの参考になれば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

8-1.執筆者プロフィール

野島建設株式会社 代表取締役社長 野島比呂司
一級建築士 宅地建物取引士 増改築相談員

富山県出身 近畿大学理工学部建築学科卒
地元のハウスメーカーに就職後、2007年野島建設に入社。
会社の2代目として仕事をするだけでなく、自分でも会社を創業。野島建設として1000棟を超える施工実績があり、富山県の市町村単位では複数回の着工数1位の獲得経験あり。
2024年の能登の震災による仮設住宅建設にも尽力。その際に人と愛玩動物とのかかわりについて考え、ペット共棲住宅の重要性を実感。

 

投稿日 2026年5月30日

 

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