一覧に戻る

猫が窓際好きをさらに高める家とは 環境が厳しい窓付近を快適にする方法を一級建築士が解説

猫と暮らしていると、窓際で外を眺めている姿を見ることがあります。

日なたで寝ていたり、鳥や車の動きをじっと見ていたり、少し高い場所から外を見渡していたり。

その姿を見ると、「やっぱり猫は窓際が好きなんだな」と感じる方も多いと思います。

 

ただ家を建てる仕事をしている自分から見ると、少し気になることがあります。

それは猫が好きな窓際が、快適な住環境になっているのかということです。

窓際は外部の影響を受けやすく、夏は暑くなりやすく、冬は冷えやすい場所でもあります。

この記事では、猫が窓際を好きな理由と、暑さ・寒さ・風の影響を減らしながら、快適な居場所にする考え方を、一級建築士の視点で解説します。

 

1. 猫が窓際を好きな理由

猫が窓際を好きなのは、外に出たいからだけではありません。

完全室内飼いの猫にとって、窓は外の情報を得られる大切な場所です。

 

猫は動くものに反応しやすい動物です。

また窓際には日差しが入ります。

猫は暖かい場所を見つけるのが上手なので、季節や時間帯によって居場所を変えることがあります。

朝は東側の窓にいる。
昼は南側の窓に移動する。
夕方になると別の場所で休む。

こうした行動は気まぐれに見えて、実は日差しや温度の変化を選んでいる可能性があります。

窓際は猫にとって外を見る場所であり、暖かさを感じる場所でもあります。

1-1. 外の動きを見るのが刺激になる

猫にとって、窓の外は動きのある世界です。

鳥、虫、車、人、自転車、風で揺れる木。

家の中にいながら、外の変化を見ることができます。

完全室内飼いの猫にとって、窓際は大切な刺激であり楽しい場所になります。

 

ただし、刺激が多ければ良いわけではありません。

道路沿いの窓や人通りの多い窓では、外の動きが多すぎて落ち着かないこともあるので注意が必要です。

窓際を休める場所にするには、外の刺激が強すぎないことも大切です。

1-2. 日なたぼっこができる

猫は暖かい場所を好むことが多いです。

特に猫は人や犬よりも、快適に感じる温度帯がやや高めだとされることです。

人が「少し暖かい」と感じる場所を、猫は気持ちよく感じていることがあります。

だから猫が窓際の日なたを好むこと自体は、自然な行動です。

 

実際の家庭では猫にとって過ごしやすい室温の目安は、おおよそ21〜28℃前後とされることが多いです。

湿度は40〜60%前後が一つの目安になります。

ただし、窓際で室温だけでは温度を判断できません。

室温が26℃でも、直射日光が当たる窓台などはもっと暑くなっていることがあります。

反対に冬は室温が20℃あっても、窓ガラス付近にコールドドラフトが発生したら、窓際だけ寒く感じることがあります。

猫が日なたぼっこをしているときは室温だけでなく、その場所の暑さや寒さも見てあげる必要があります。

1-3. 高窓は安心できる場所になりやすい

猫は、安心できる場所から周囲を確認することを好みます。

高窓は家の中にいながら、外の様子も中の様子も同時に楽しめる場所です。

簡単に背後を取られない猫にとっては、ちょうどよい距離感で外の世界を見られる場所とも言えます。

 

そして高窓に行くまでに、楽しいキャットウォークなどがあれば完璧です。

行くのも楽しければ、刺激もあれば、休むこともしやすい。

このような流れがあれば、猫が高窓に行かない理由はありません。

2. 窓際は好き。でも快適とは限らない

猫が窓際を好きだからといって、窓際がいつも快適とは限りません。

どうしても窓際は、環境が変わりやすい場所です。

夏は日差しで暑くなりやすく、冬は外気の影響で冷えやすい。

さらにコールドドラフトのような、空気の流れも起きやすくなります。

 

室温だけを見ると問題なさそうでも、猫がいる場所では体感が違うことがあります。

体感温度を含め、猫がいる窓際の快適性をここでは考えていきます。

2-1. 窓際は時間帯によって暑さ寒さが変わる

窓際の快適さは、朝と昼と夕方。そして夜と、ずっと変化をし続けます。

朝は気持ちよくても、昼には暑くなる。

昼は問題なくても、夕方の西日で急に暑くなる。

日が暮れる夕方以降は、急に冷える。

このように、窓際は時間によって環境が変わりやすい場所です。

窓際を見るときは、「今が快適か」も重要ですが、「数時間後も快適か」という時間の軸で考える必要があります。

2-2. 夏と冬でも窓際の環境は大きく変わる

先ほどは1日の変化を見てきましたが、1年の変化も重要です。

夏場は日差しが強く、暑くなりやすくなる傾向があります。

また冬場はちょうどいい日差しがある場合もあれば、窓が冷えてコールドドラフトが発生することもあります。

特にエアコン暖房などをしている場合は、室温と窓の影響でコールドドラフトが発生しやすくなるので注意が必要です。

2-3. そもそもで猫は暖かい場所が好き

童謡の歌にあるように、「雪やこんこん~~」の最後に、猫はこたつで丸くなる。という歌詞があります。

このように猫は、人や犬よりも暖かい場所を好みやすい動物です。

だから人が少し暑いと感じる場所でも、猫は気持ちよさそうに寝ていることがあります。

ただし猫が暖かい場所を好むことと、暑さに強いから放っておいてよいことは別です。

暑くなったときに移動できる場所を、あらかじめ用意しておくことが大切です。

 

猫の窓際好き

3. 夏の窓際で注意したい事

夏の窓際で一番注意したいのは、直射日光です。

猫は暖かい場所が好きですが、夏の窓際は想像以上に暑くなることがあります。

夏の窓際は、時間帯によって急に暑くなる場所です。

3-1. 西日のある夕方は暑くなりやすい

夏の西日は、窓際を暑くしやすい要素です。

実のところ朝日と西日(夕日)の日射量は同じなんですが、その時間帯の温度が異なるため、西日の方が悪者とされます。

西日が悪者のように扱われるのは、窓から離れていても日差しが届くからです。

南面の窓は、庇を付けてしまえば、ある程度はカットできてしまいますが、西日は角度が浅いためそれができません。

直射日光があると、Low-eガラスなどをしても軽減だけで、日誌やはゼロにはなりません。

そのため外付けのシェードやすだれ、遮熱カーテンなどで、日射そのものを弱める工夫が必要になる場合があります。

 

しかし窓全部を覆ってしまうと猫の外部を見る楽しみが、奪われます。

そのため、朝顔とかでグリーンウォールをつくってその隙間から外を見させたり、すこし角度を付けた格子窓で直射日光はカットしながら隙間から外を眺めさせることができると良いでしょう。

特に格子窓の場合は脱走防止にもつながるので、一石二鳥になる場合があります。

3-2. 高窓は暑くなりやすい環境

1-3に記載をしたように、猫は高窓をとても気に入ります。

そこに寝床でも作れば、けっこう休んでくれるようになるはずです。

 

しかし夏の高窓は、暑さ対策が不十分になることがあります。

エアコンの冷気は床面にたまりやすく、天井部分に暖気が残りやすい状況を生み出します。

そしてもっと厄介なのは、エアコンの吹き出し口よりも、低い部分を主に涼しくする点です。

高窓はその名の通り、高い部分に設置をします。

そのため猫のいる場所は、室温よりも高い状況になる場合があることを知っておく必要があります。

これを解決するためには、サーキュレーターのようなもので室内の空気を攪拌をするなどが有効です。

3-3. 留守番中の逃げ場を作っておく

夏の窓際対策で大切なのは、猫が自分で場所を選べることです。

猫は暑くなれば涼しい場所に移動することがあります。

しかし部屋を閉め切っていたりすると、逃げ場がなくなります。

涼しい床、日陰、水飲み場、エアコンの風が直接当たりすぎない場所。

こうした選択肢があることで、猫は自分で居場所を調整しやすくなります。

特に夏の留守番では、窓際だけを快適にするのではなく、家の中に複数の居場所を作ることが大切です。

4. 冬の窓際で注意したい事

冬の窓際では、寒さに注意が必要です。

特に古い窓や単板ガラスの場合、外気の影響を受けやすくなります。

冬の窓際は、室温以上に寒く感じることがあります。

4-1. 冬に窓際が寒い2つの理由

冬に室温が20℃あったとしても、窓際が快適とは限りません。

その理由は窓の隙間風にあったり、単板ガラスなどで窓が冷やされてコールドドラフトが発生したりするためです。

まず隙間風ですが、古い家は顕著にこれが出てきます。

隙間風は当然外の寒い風が入ってくるので、快適な場所にはなりません。

対策としては、内窓を付けるとか、簡易的にモヘアなどで隙間を埋めるなどがあります。

 

もう一つは窓が外気によって冷やされ、部屋の暖かい空気がそこに触れるとコールドドラフトと呼ばれる冷たい風が発生します。

これも先ほど同様に冷たい風になるので、猫の居心地は悪くなります。

これらを改善するには、内窓を付けるくらいしか方法がありません。

4-2. カーテンよりブラインド

本来は窓の冷気を抑えるのに、カーテンは有効です。

部屋の温度が直接窓ガラスに触れることが減り、コールドドラフトが発生するのを抑えてくれます。

 

しかしコールドドラフトが発生するのを止めてはくれますが、猫の視線もカットしてしまいます。

そのためカーテンを使用するのは、あまり得策とはいません。

そこで夏でも使える手法ですが、カーテンではなくブラインドを使用します。

ブラインドはフィンの見え方を調整することができます。

例えば外がある程度見えるようにしながら、窓に直接空気が触れにくいようにしてあげることで、猫の視線を全部カットすることを抑えながら、窓に室内の熱が触れにくくなったりします。

5. 窓際を快適にする方法

今の家でも、窓際の居心地を良くすることはできます。

まず大切なのは、猫がどの時間帯に、どの窓際にいるかを見ることです。

朝だけいるのか。昼も長くいるのか。夏でもそこにいるのか。冬になると滞在時間が短くなるのか。外の音に反応して落ち着かない様子があるのか。

猫の行動を見ると、その窓際が「好きな場所」なのか、「好きだけど負担もある場所」なのかが見えてきます。

今の家でも、日差し・冷え・風の当たり方を見直すだけで改善できることがあります。

5-1. 内窓の取り付け

夏であれ、冬であれ、内窓の取り付けは効果的です。

特にLow-eガラスを採用すれば、夏は暑さをわずかでも軽減してくれます。

また冬場は、窓の隙間風も減らしますし、結露やコールドドラフトも減らす効果が見込めます。

補助金が出ていることも多いので、内窓はそのようなタイミングを使って設置するのが好ましいと自分は考えています。

5-2. エアコンの風が直接当たらないようにする

窓際を快適にするうえで、エアコンの風も見落とせません。

夏は冷たい風が直接当たり、冬は暖房の風が当たる。

人間でも、エアコンの風が直接当たり続けると不快に感じることがあります。

猫も同じように、強い風や急な温度差を好むとは限りません。

特に窓際にベッドやキャットタワーを置く場合、エアコンの風が直接当たっていないか確認したいところです。

涼しい、暖かいということと、風が当たり続けて快適ということは別です。

5-3. 窓の横をうまく活用

窓際というと、窓から正面の部分ばかりを気にすると思います。

実際の正面は、直射日光も隙間風も全部入ってきます。

しかしそのほんの少し横だと、それが一気に軽減されることがあります。

 

お手軽にそこを猫が気にいるかどうかを試すには、窓の横にカラーボックスや家具とかを置いてみたらいいと思います。

少し高いところから、斜めから窓を眺めるのを楽しんでいたら、その部分を強化してあげる。

少し変わった考え方かもしれませんが、何も準備することなく猫のお気に入りポイントがひとつ増えるかもしれないので、一度試していただけたらと思います。

5-4. 脱走対策も忘れない

窓際を快適にする場合、安全面も大切です。

特に窓を開ける場合は、脱走対策が必要です。

網戸だけでは不安なことがあります。猫が爪をかけたり、体重をかけたり、勢いよくぶつかったりすると、網戸が外れる可能性もあります。

窓を少しだけ開けられるストッパーを使う。脱走防止用の格子をつける。内窓や建具でワンクッション作る。

家の状況に合わせて、窓際の快適性と安全性を一緒に考える必要があります。

6. 新築・改修で考えたい窓まわり

新築やリフォームを考える場合は、窓際を最初から計画できます。

猫が外を見られる窓を作る。

日差しが入りすぎないようにする。

断熱性の高い窓を選ぶ。

外からの視線や音も考える。

こうしたことは、後から家具やカーテンで調整するより、設計段階で考えた方がきれいにまとまります。

しかし猫の窓際は、見えることと守られることのバランスが大切です。

この章ではそのことについて、考えてみたいと思います。

6-1. 窓の大きさと高さ

猫が外を見られるようにしたいと思うと、大きな窓を考える方もいると思います。

しかし、窓は大きければ良いわけではありません。

大きな窓は、日差しを多く取り込める一方で、夏の暑さや冬の冷えの影響も大きくなります。

道路側に大きな窓を作ると、人や車の動きが見えすぎて、猫が落ち着かないこともあります。

 

猫にとって大切なのは、外が見えることだけではありません。

安心して過ごせること。
暑すぎないこと。
寒すぎないこと。
このバランスが大切です。

 

ちなみにどうしてもその方面に大きな窓が必要な場合などは、窓を上下に二つ付けるなども効果的です。

一枚は少し高窓みたいな感じで、高さ1600ミリから上につく感じ。

そしてその窓台の奥行を広くして、キャットウォークみたいにする。

その下の窓は、すりガラスなどを使用し、外からの目線をカットしながらも、日差しは獲得する。

このような窓のつけ方などもあります。

時と場合によってこのような窓のつけ方もありますので、一度プロに相談をしてみるのもいいかもしれません。

6-2. 方角・断熱・日射をセットで考える

窓際の快適さを考えるなら、方角、断熱、日射をセットで見る必要があります。

南側の窓は、冬の日差しを取り入れやすく、夏は庇やシェードで日射を調整しやすい面です。

一方で、西側の窓は、夏の夕方に強い西日が入りやすくなります。夕方でも室内が暑くなりやすいため、窓の大きさや日射対策が重要になります。

冬の寒さを考えるなら、窓の断熱性も大切です。

断熱性の高い窓を選ぶと、窓ガラスの表面温度が下がりにくくなります。結果として、コールドドラフトを減らしやすく、窓際の寒さを抑えやすくなります。

6-3. AIR LOOP SYSTEMを活用する

売り込みのようになってしまいますが、猫と住む家に弊社のAIR LOOP SYSTEMは相性がいいです。

AIR LOOP SYSTEMは、室温だけを整えるのではなく、家全体の温度差を少なくし、体感温度を安定させることを目指した仕組みです。

猫の窓際を考えるとき、大事なのは「室温が何度か」だけではありません。

窓まわりの表面温度。
床付近の冷え。
隙間風。
窓ガラスで冷やされた空気が床へ流れるコールドドラフト。
エアコンの風が直接当たるかどうか。
床付近と天井付近の温度差。

こうした要素が重なることで、猫の窓際の居心地は大きく変わります。

例えば、室温は暖かくても、窓際の床が冷たい。
窓から冷たい空気が下りてくる。
エアコンの風が直接当たる。
天井付近だけ暖かく、床付近はひんやりしている。

このような状態だと、猫にとって窓際は「好きだけど、長くはいにくい場所」になってしまいます。

高窓や吹き抜け、キャットウォークなどがある家では、上下の温度差も考える必要があります。

暖かい空気は上に上がりやすいため、エアコン暖房だけに頼ると、天井付近は暖かいのに、床付近は冷えやすいことがあります。

人は床に近い場所で生活しますが、猫は床にも行きますし、高い場所にも上がります。

つまり猫は、家の中の上下の温度差を人よりも感じやすいとも言えます。

AIR LOOP SYSTEMは、エアコン暖房のように一部の空気だけを強く暖めるのではなく、床下から家全体をやわらかく整える考え方です。

そのため床付近の冷えを抑えやすく、天井付近だけ暖かくなるような温度差も発生しにくくなります。

また、建物の気密性や断熱性を高めることで、隙間風やコールドドラフトが起きにくい住環境にもつながります。

空気の温度だけでなく、床・壁・窓まわりの表面温度まで整えることで、猫にも人にも心地よい体感温度をつくりやすくなる。

ここがAIR LOOP SYSTEMの大きな特徴です。

猫用ベッドやキャットタワーも大切ですが、それを置く場所そのものが暑すぎたり寒すぎたりすれば、良い居場所にはなりません。

猫の好きな窓際を、家の性能で支える。

AIR LOOP SYSTEMは、猫のためだけの仕組みではありません。
人が快適に暮らすための住環境を整えることが、結果として猫の窓際好きを支えることにもつながると考えています。

7. まとめ

猫のための窓際対策。

愛猫家さんはこのような話を聞くと、楽しい話をイメージすることが多いかと思います。

しかし実際に建築士の立場で、猫が窓際に行く行為を見ると結構過酷なことをしているようにも見えます。

今回は動物が苦手な一級建築士の立場で、今回の文章を書いてみました。

少しでも皆様の楽しい時間のお手伝いが出来たら、これ以上の喜びはありません。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

8-1.執筆者プロフィール

野島建設株式会社 代表取締役社長 野島比呂司
一級建築士 宅地建物取引士 増改築相談員

富山県出身 近畿大学理工学部建築学科卒
地元のハウスメーカーに就職後、2007年野島建設に入社。
会社の2代目として仕事をするだけでなく、自分でも会社を創業。野島建設として1000棟を超える施工実績があり、富山県の市町村単位では複数回の着工数1位の獲得経験あり。
2024年の能登の震災による仮設住宅建設にも尽力。その際に人と愛玩動物とのかかわりについて考え、ペット共棲住宅の重要性を実感。

 

投稿日 2026年7月11日

 

~温かい人が集まる暖かい家 NOJIMAのゼロ・ハウス~
野島建設 YouTubeチャンネル↓
https://www.youtube.com/channel/UC8SrIw-v-S3d1F0ZXz_P0A?view_as=subscriber
野島建設HP https://nojima-k.jp/
野島建設TEL 0765-24-6330
野島建設住所 937-0806 富山県魚津市友道390-1

一覧に戻る