冬の洗濯物が乾かない原因と対策|家づくりで軽減する部屋干しのストレス
2025年11月22日
冬になると多くの問題がありますが、その一つが洗濯物ではないでしょうか。
部屋を暖かくすれば乾く、と思っておられる方は多いと思いますが、なぜ乾くのかの理由をちゃんと説明できる方は少ないと思います。
今回はそれらについて詳細にまとめてみました。

冬になると洗濯物は乾きませんよね
目次
1.冬はなぜ洗濯物が乾かない?その原因は?
冬になると「夜に干したのに、朝になってもまだ濡れている」「天気が良いのに乾きが遅い」といった悩みが一気に増えます。
実はこれは偶然ではなく、乾かない理由がはっきりと存在するためです。
洗濯物が乾く仕組みはシンプルで、
① 空気の流れ
② 温度が高い
③ 湿度が低い
以上の3つが揃うことが必要です。
しかし冬になると、この3つが揃いません。
そのため、洗濯物を取り込むときの冷たく湿った感触につながります。
そこでまずは、洗濯物が乾かない3つの原因を整理してみましょう。
1-1. 空気の流れが無い
洗濯物が乾くのは洗濯物から湿気が無くなる事ですが、風が当たること湿気は飛びやすい状況が生まれます。
しかし冬の住宅は窓が閉め切られている時間が長く、自然な空気の流れがほとんどありません。
このように空気が止まっていると、洗濯物の周りに湿気が滞留し、蒸発が進まなくなってしまいます。
特に部屋干しの場合、洗濯物のまわりに湿気のかたまりができることがあり、乾くスピードが落ちやすいです。
1-2.温度が低い
これはあまり知られていない事ではありますが、温度が高いと湿度(水分)を多く保持できます。
逆の言い方をすると、冬の様に寒いと空気が持てる湿度(水分)はごくわずかになります。つまり
室温が低い → 相対湿度が高くなる → 洗濯物が乾かない
という悪循環が起きてしまいます。
1-3.湿度が高い
洗濯物が乾かない原因は「湿度が高いから」とよく言われますが、実は湿度の高さは 原因ではなく結果 にすぎません。
湿度が上がる理由は、先ほどまでの二つの要因である
× 空気が動いていない
× 室温が低く、水分が空気に移動しない
これらのせいです。
つまり「室温と空気の流れを整えることが本質的な冬の洗濯物対策になる」ということです。
2.室温・湿度・気流が整うと冬でもちゃんと乾く
洗濯物が乾く条件は「ある程度の温度・湿度・空気の流れ」の3つが重要です。
湿度だけを下げようとしたり、空気だけ動いていたりしても、本当の解決にはつながりません。
ここでは、「乾く家」と「乾かない家」の違いを、住宅の視点からわかりやすく整理します。
2-1.湿度だけ下げても根本解決にならない理由

湿度はあくまで結果です。湿度が高くなる理由は、上記の図の様な要因があります。
湿度だけ対策(除湿機・乾燥剤など)しても、室温と気流が整っていない家では洗濯物はすぐに乾きません。
2-2.「乾く家」と「乾かない家」の違い
冬でも洗濯物がしっかり乾く家には、以下の3つが揃っています。(先ほどの条件と真逆になるだけです)
・室温がある程度高い
・空気が常に動いている
・相対湿度が高くない
このような条件が整うと、洗濯は干すだけでちゃんと乾きます。
乾くのに時間がかからない家は、結果的に 「家事時間が短い家」=暮らしやすい家 につながります。
乾くスピードは、暮らしの質そのものを左右します。
3.家づくりの視点から 洗濯が乾く環境 を整える
家電で何とかする方法ももちろんあります。
しかし住宅性能そのものを整えていくだけで、洗濯物の問題は簡単に解決できることはあまり知られていません。
建築の専門家としては、根本的な解決方法である下記の方法を知ってほしいと思っています。
3-1.全館冷暖房
室温がどの部屋でも一定になると、相対湿度は自然と安定します。
AIR LOOP SYSTEMでなくても、全館冷暖房をしている家ではサンルーム・洗濯室も自然に暖かくなるため、「乾燥のために暖房をつける」必要がなくなります。
また干している最中も、寒さに悩まされずに済む点も見逃せません。
3-2.空気が動けば湿気は抜ける
洗濯物の周りに湿気の壁ができると乾きません。
そこで重要になるのが 空気の流れです。
機械的に強い風を当てるのでももちろんいいですが、家全体をゆるやかに循環させるのでも洗濯物を囲む湿気のよどみを解消できます。
空気の動きがある事で、乾きやすさは一気に変わります。
3-3.AIR LOOP SYSTEMは乾かない原因を解決
野島建設の AIR LOOP SYSTEM は、洗濯物に限っていえば、
①室温
②湿度
③空気の循環
この3つを同時に整える仕組みです。具体的には、
- 家全体の空気をゆっくり循環
- 洗濯物の高さ(床から1m〜2m)で空気が動く
- 室温が均一に保たれる
- 湿度が飽和せず、自然に動いていく
つまり、「洗濯物を乾かす」という事ではなく「干すだけで自然に乾く家」ができる住環境を自然に創り出します。
もちろんこれ以外にもAIR LOOP SYSTEMは多くの特徴がありますが、洗濯物がよく乾くのは副産物の一つになります。
AIR LOOP SYSTEMにもし興味がある方は、野島建設のホームページをご覧ください。

AIR LOOP SYSTEMは洗濯物を乾かすのにも効果的
4.サンルームは「干すだけの場所」にしない
サンルームやランドリールームというと「洗濯物を干す場所」「雨の日のための部屋」と思われがちですが、それだけではもったいないと私たちは考えています。
洗濯をラクにする家とは、
「洗う → 干す → たたむ → しまう」
この動作がいかに短い距離で完結するかで決まります。
4-1.動線(洗う→干す→たたむ→しまう)
例えば、
✔ 洗濯機の隣に物干し竿
✔ すぐ横にカウンター(たたむスペース)
✔そのまま収納(ファミリークローゼット・ウォークインクローゼット)
これが一枚の線のようにつながると、洗濯家事が非常に簡潔に終わります。
【回遊動線で洗濯が変わる例】
洗面脱衣室
└ 洗濯機
└(1歩)物干しスペース
└(1歩)カウンター
└(1歩)ファミリークローゼット
このような洗濯専用の動線をつくることで、
家事の移動距離は1/5〜1/10に減らすことができます。
家事が楽な家とは、設備に頼らず 「動線で勝負できる家」 でもあります。

動線が短いと生活のしやすさがアップします
5.家電は補助
どれだけ洗濯物が乾きやすい住空間でも、急いで乾かしたい時はあるものです。
無理に使う必要はないですが、一つの手段として知っておいて損はないことを下記にまとめました。
5-1.扇風機・サーキュレーター
扇風機やサーキュレーターは乾かす道具ではなく、洗濯物内部の湿気を動かす補助装置だと自分は考えます。
補助装置と話をするのは、しかしミストサウナの中に洗濯物を干してサーキュレーターを動かしても、意味が無いとイメージできると思います。
サーキュレーターや扇風機は根本的な解決策ではなく、良い環境下で使った時に効果を発揮する補助であることを忘れないでください。
5-2.浴室乾燥機・除湿器
浴室乾燥機は「空気を動かし」「室温を上げる」この二つがある事で、相対湿度が下がり乾きやすい環境をつくってくれます。
しかし電気を直接熱に変換する仕組みなので、熱効率が悪い点が気になります。
また多くの洗濯物を干すのにも適さないので、自分はあまり好きなものではありませんが、リフォームではたまに設置することもあります。
除湿器も大きなタイプのものでしたら、「空気を動かし」「湿度を下げる」効果があり洗濯物がある程度乾いてくれます。
使っても良いと思いますが、設置場所を取ります。
全館暖房の家などの場合は、扇風機だけで済むのでわざわざ買わなくてはいけない点が少々もったいないです。
5-3.脱水時間を長くする
洗濯機の脱水時間を通常より1〜2分長くするだけでも、乾くスピードは大きく変わるそうです。
少しの工夫 × 家の性能で、乾き方は想像以上に変わります。

少しの手間が大きな違いを生みます
6.事例|AIR LOOP SYSTEM のある暮らし
6-1.20年間窓を開けたことがない
お引渡しをして20年のお客様からの嬉しい声になります。
「20年間窓を開けなくても、洗濯物は乾くし、部屋はきれいな空気を保ってくれている。」
これは一般的には信じられない話だと思いますが、本当に頂いた話です。
実際にインタビューをした動画もあります。
お時間がありましたら、YouTubeの動画もご覧ください。
6-2.夜にGパンを干しても朝には乾いていた
コチラも10年以上前のお客様の声です。
「夜にGパンを干しても朝にはバキバキに乾いていた」とのことです。
Gパンは生地が厚く、乾きにくい洗濯物の一つだと思います。
それが乾いていたので、お客様の方から「乾いていた事でビックリしてしまい、野島さんに話をしたかった。」とお話を頂きました。
7.まとめ
冬の洗濯物はとにかく
・ある程度の温度
・乾燥した空気
・風(空気の流れ)
以上が重要です。これらを複合的に取り入れる事で上手く洗濯物が乾くはずです。
ちなみに今回、野島建設の独自工法のAIR LOOP SYSTEMについてもお話をさせていただきました。
実のところAIR LOOP SYSTEMは、「冬の洗濯物を乾かしたい」という発想から生まれたものではありません。
しかしよくよく考えていくと、冬の洗濯物を乾かすために必要な温度であったり、空気の流れを自然に作り出してくれている仕組みであることが自分でも再認識できました。
もしこの環境や作り方が気になる場合は、展示場がありますのでそちらにご来場いただき体感することも可能です。
ぜひご都合が合えばご来場ください。
長い文章に最後までお付き合いただ来まして、ありがとうございました。
この文章が皆様のお役に少しでも役に立ったのであれば、これ以上の喜びはありません。
7-1.執筆者プロフィール
野島建設株式会社 代表取締役社長 野島比呂司
一級建築士 宅地建物取引士 増改築相談員
富山県出身 近畿大学理工学部建築学科卒
地元のハウスメーカーに就職後、2007年野島建設に入社。
会社の2代目として仕事をするだけでなく、自分でも会社を創業。野島建設として1000棟を超える施工実績があり、富山県の市町村単位では複数回の着工数1位の獲得経験あり。
2024年の能登の震災による仮設住宅建設にも尽力。その際に人と愛玩動物とのかかわりについて考え、ペット共棲住宅の重要性を実感。
投稿日 2025年11月22日
~温かい人が集まる暖かい家 NOJIMAのゼロ・ハウス~
野島建設 YouTubeチャンネル↓
https://www.youtube.com/channel/UC8SrIw-v-S3d1F0ZXz_P0A?view_as=subscriber
野島建設HP https://nojima-k.jp/
野島建設TEL 0765-24-6330
野島建設住所 937-0806 富山県魚津市友道390-1

